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『毒と薬の世界史 -ソクラテス、錬金術、ドーピング』(船山信次) [読書(教養)]

 人類が毒や薬とつきあってきた長い長い歴史を概観する本。タイトルは「世界史」となっていますが、半分くらいは日本史のトピックが占めています。

 で、その話題の豊富さときたら。

 ソクラテスの処刑、クレオパトラの自害、正倉院に保存されていた薬物、不老不死の薬や若返りの泉、マンドラゴラ、錬金術、麻薬、消毒、阿片戦争、さらには化学兵器、ドーピング、薬害事件まで。

 どのページを開いても「毒と薬が人類の歴史にどういう影響を与えたか」という蘊蓄がぎっしり詰め込まれています。

 ただの軽薄な「雑学本」ではありません。何しろ著者は薬学の専門家なので、どの話題も薬学方向にやたら掘り下げが深いのが特徴。薬物名など化物・医学分野の専門用語もばんばん飛び交います。巻末に挙げられた200冊以上の参考文献リストがまた圧巻。

 話題そのものの面白さもさることながら、読んでいて、薬学に対する著者の熱意と思い入れに圧倒される一冊です。

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