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『双花町についてあなたが知り得るいくつかのことがら vol.5』(川口晴美:詩、芦田みゆき:写真、小宮山裕:デザイン) [読書(小説・詩)]

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翌朝あなたはまたしても長い散歩をする。あるいはもう双花町から立ち去るべきなのかもしれない。帰る場所があるのなら。
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 どことも知れぬ不可解な場所、双花町を訪れた「あなた」は、いつしか迷宮に足を踏み入れていることに気づく。長篇ミステリー詩と写真の幻想的コラボレーション、そのパート5。Kindle版(00-Planning Lab.)配信は2015年7月です。

 どこか不穏で心をざわめかせる写真と、幻想ミステリーのような謎めいた雰囲気の長編詩。二つの創作物が電子媒体の上で重なり合い、読者を否応なく双花町という名の迷宮へと引き込んでゆきます。

 ついに「あなた」を含む主要登場人物たちが同じ敷地内に!

 完結まであと1巻を残して、これまでバラバラに配置されていた(相互関係は微妙なほのめかしに終始していた)複数の断片が、つながってゆきます。

 とはいっても、霧が晴れたように何かが明瞭になる、例えば名探偵が現れて「さて、皆さん」とか言い出す、といったことはもちろんありません。たとえ輪郭が見えても、あくまで迷宮は迷宮のまま。

 この謎と恐怖と官能に満ちた物語は、いったいどこに向かっているのか、それともどこにも向かわないのか、本当に「謎とき」があるのか。最終巻に向けて期待と不安が高まります。


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お母さんがいなくなればわたしたちが二人なのか一人なのかそれとも全然いないのかはっきりわかるだろうと風の止んだ翌朝の裏庭に立ってわたしたちは考えたのです。
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では、少女が殺されたのはどっちで、だったのだろう。二人のうちの一人が殺されたのなら、どちらが死ぬかはどうやって決まったのだろう。
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あの薬はとてもよく効くのだから、わたしはわるくない。わたしはここにいようとしただけ。ここにいるためにしなければならないことをしただけ……。
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またこの町へやって来るなんて、と底深い驚きに震えながら。
あなたが覚えていないことを、女医は思い出す。
あなたが忘れているいくつかのことを、ひとつひとつ。
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タグ:川口晴美
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