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『ねこのほそみち 春夏秋冬にゃー』(堀本裕樹、ねこまき:漫画) [読書(教養)]


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 この連載は、猫を詠んだ俳句を僕が選び、その句に僕が解説を書き、同時進行でねこまきさんがマンガを描くという趣向でした。二人のコラボレーションではあるのだけれど、僕は僕で勝手に解説を書いて、ねこまきさんはねこまきさんで自由にマンガを描くというスタイルを貫いたのです。その連載スタイルがいっそうコラボレーションの妙味を生み出したのではないかと思っています。
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 四季折々の猫を詠んだ俳句から88句を選び、それぞれに解説とマンガを付けた猫好きのための句集。単行本(さくら舎)出版は2016年4月です。

 見開き右側のページに俳句とその解説、左側ページにマンガ、という体裁で次々と名句が紹介されます。選ばれているのはいずれも「猫」を詠んだ句で、猫飼いなら「猫の行動から感じる季節感」あるある満載。マンガは「まめねこ」シリーズなどで猫好きの心をとらえているねこまきさん。

 季節ごとに、一句ずつ抜き出してみます。


[春]

恋猫の恋する猫で押し通す    永田耕衣

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「なんで恋で、こんなにボロボロになんなきゃいけないのよ。かわいそうに」
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[夏]

猫の尻見せられてゐる大暑かな    仙田洋子

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 夏の季語である「大暑」は、陽暦でいうと七月二十三日ごろにあたり、めちゃくちゃ暑い日でもあるのだ。
 そんな日に猫がすり寄ってきて、「ほれほれ」とお尻を向けてきて、「好きやで、あんさんのこと、ほんま好きやで」とすり寄ってきたら、いくら飼い主でも思わず、「あんたの好きなんはわかったから。暑いねん!」と叫び出したくなるだろう。
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[秋]

黒猫にアリバイのなき夜長かな    矢野玲奈

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 飼い主にこっぴどく怒られた黒猫にとっては、秋の夜は長すぎる。夜長に拗ねる黒猫はかわいい。
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[冬]

炬燵よりおろかな猫の尻が見ゆ    平井照敏

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とにかく悪事がばれていないと思いつつ炬燵に入った。だが、そのぴょんと出たお尻が何もかも物語っている。おろかで、やっぱりかわいい猫のお尻である。
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[新年]

去年今年肥満は猫に及びけり    今枝立青

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 さらに寝正月ともなると、肥満はますます及びそうである。食べては炬燵で一緒に寝そうだ。
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 親しみやすい解説と、愛らしい猫マンガが、こんな感じでついています。結論としては、「春夏秋冬、どの季節でも、猫はかわいい」ということに尽きます。
 他に、個人的に気に入ったその他の猫句をいくつか挙げておきます。


猫の毛の暗く過ぎたり螢籠(ほたるかご)    石田波郷

小春日の猫に鯰のごとき顔    飯田龍太

暑き日や先づ猫が邪魔夫が邪魔    上野さち子

蚊柱に猫が片手を入れにけり    鈴木鷹夫



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