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『桜前線開架宣言』(山田航) [読書(小説・詩)]


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短歌が少数の人にしか読まれないって、どう考えてもおかしいじゃないですか。だって商業出版される小説の九割は、自費出版の歌集よりつまんないですよ。
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単行本p.269


 1970年以降に生まれた若手歌人40人をセレクト。それぞれの作風を紹介すると共に、一人あたり56首もの作品を選んで掲載してくれる現代短歌入門書。単行本(左右社)出版は2015年12月です。


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 文学なんて自分には縁遠いものだと思っていた。というか今も縁遠いと思う。でも短歌のリズムにはすっかりハマってしまったのだ。
(中略)
 僕は本が嫌いなのではなくて、「物語」があるものが嫌いなだけなんだと気づいた。音楽と同じ感覚で楽しめる本も世界にはあって、短歌はまさにそれだった。ほどなくして俳句も現代詩も好きになっていった。
(中略)
 しかしぼくは大きな勘違いを一つしていた。寺山修司から短歌に入ったぼくは、歌集というものをヤングアダルト、つまり若者向けの書籍だと思い込んでいたのだ。短歌が世間では高齢者の趣味だと思われていたなんてかけらも知らなかったし、実状をそれなりに知った今でも心のどこかで信じられない。どうせなら、ぼくと同じ勘違いを、これから短歌を読もうとする人みんなすればいいと思う。みんなですれば、もう勘違いじゃなくて事実だ。
 ぼくは短歌のおかげで大人にならなくて済んだから、今はとても楽しいです。
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単行本p.6、7、8


 教科書に載っているような古典ばかりが短歌じゃない。就活、バイト、ゲーム、アニメ。現代を生きる僕たちの心を揺さぶる色々なことを、だいたい31文字で表した、とびきりクールで面白い現代短歌の世界。1970年以降に生まれた若手歌人40人とその代表作を紹介する現代短歌入門にも最適な短歌アンソロジーです。

 掲載されている歌人は次の通り。一人につきそれぞれ紹介2ページ、作品4ページ(56首)が割り当てられています。

[1970年代生まれの歌人たち]

  大松達知
  仲澤系
  松村正直
  高木佳子
  松本秀
  横山未来子
  しんくわ
  松野志保
  雪舟えま
  笹公人
  今橋愛
  岡崎裕美子
  兵庫ユカ
  内山晶太
  黒瀬珂瀾
  斎藤芳生
  田村元
  澤村斉美
  光森裕樹

[1980年代生まれの歌人たち]

  石川美南
  岡野大嗣
  花山周子
  永井祐
  笹井宏之
  山崎聡子
  加藤千恵
  堂園昌彦
  平岡直子
  瀬戸夏子
  小島なお
  望月裕二郎
  吉岡太朗
  野口あや子
  服部真里子
  木下龍也
  大森静佳
  藪内喬輔
  吉田隼人

[1990年代生まれの歌人たち]

  井上法子
  小原奈実


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