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『小品集』(小野寺修二、カンパニーデラシネラ) [ダンス]

 2017年3月28日に夫婦で浅草九劇に行って、カンパニーデラシネラの新作公演を鑑賞しました。浅草九劇のこけら落とし公演です。独立した三つの作品を連続上演する舞台で、上演時間は全部で90分。だいたい一本あたり30分です。


[キャスト他]

振付・演出: 小野寺修二

『鏡像』
テキスト: ノゾエ征爾
映像: 新井風愉
出演: 大庭裕介、崎山莉奈、仁科幸

『フーガ '17』
出演: 王下貴司、大庭裕介、斉藤悠、崎山莉奈、辻田暁、遠山悠介、仁科幸、野坂弘、増井友紀子

『幸せな男』
テキスト: 山口茜
出演: 辻田暁、野坂弘


 最初の『鏡像』はハーフミラーを使ったトリック(それまで映っていた“鏡を見ている人物の顔”が、照明の切り替えにより“背後にいる人物の顔”に変わるなど)から、登場人物が持っている紙や鞄に投影された手足の動画が現実の手足と重なって視覚的な混乱を引き起こすプロジェクションマッピングまで、仕掛けが楽しい作品。唐突に始まって終わるダンスシーンが印象的です。大庭裕介さんの「てんで駄目な社交ダンス」の動きが個人的にツボ。

 『鏡像』の冒頭では、明らかに似てない二人の女性について「この二人は同一人物です」というセリフ(さらに背景に和文と英文で文字投影)が提示され、そこからアイデンティティの混乱が引き起こされるのですが、これは次の作品でも徹底されます。

 殺人事件を目撃したかも知れない男が、どうやらギャングの抗争に巻き込まれたらしい状況で、もしかしたら殺されたのかも知れないまま、シャッフルされたり逆転したりするような気がする時系列のなかで、何やら色々するかのように見える、という『フーガ '17』。

 役と出演者の対応が次々と入れ替わるところがミソで、同一人物を全員が交替で演じるシーケンスは圧巻です。人物の同一性だけでなく、状況の一貫性も次々に放棄され、時間の流れもシャッフルされます。「録画テープの逆回し再生」のように、時間の流れを逆転させ、出演者がそれまでの動作を高速逆回転してゆくシーンは個人的にお気に入り。

 とにかくどこをとっても小野寺修二さんらしさ溢れる演出です。いきなり始まる群舞がすごくカッコよく、これはシビれる。それにしても、状況や人物や展開に何の一貫性もなくても、場面場面の演出だけで何となく納得させてしまえるギャング映画というのは強力だなあ。

 最後の『幸せな男』は、21世紀ゲバゲバ舞踊団で踊っていた辻田暁さんの「角材ダンス」が素晴らしい。一本の白い棒(角材)を使って、椅子に腰かけた野坂弘さんのサポートで踊る辻田さんの動きが凄くて、ああこれは幻覚を見てるんだな、と観客に納得させる迫力がありました。


タグ:小野寺修二
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