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『トリスタンとイゾルデ』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2017年04月30日は、夫婦でシアターχに行って勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんによる公演を鑑賞しました。上演時間60分の高密度『トリスタンとイゾルデ』です。

 黒一色の舞台です。佐東利穂子さんは黒いドレス、勅使川原三郎さんは黒い外套を身にまとい、舞台の周囲は黒い垂れ幕に囲まれています。暗い森のようにも見えます。これが魔術レベルの照明と相まって舞台上に深い暗闇を作り出し、恐ろしいほどの演出効果を生み出すのです。

 照明が当たっている空間だけが輪郭をにじませながら幻想のように浮かび上がり、一方で光が当たってないところは完全に漆黒の闇に隠されてしまいます。光と闇の演出により二人が全く別々の時間を生きていることが視覚的に示される演出がもの凄くて、さらに二人の身体が、限りなく接近しながらも決してコンタクトしない、という振付により、悲恋感が劇的に盛り上がります。

 『シェラザード』もそうでしたが、互いに恋い焦がれながらもコンタクトしないままゼロ点距離でひたすら踊り続ける二人、というシーンが、とにかく、ぐっとくる。

 ワーグナーの音楽が大音量で鳴っているにも関わらず格調高さを失わず厳かに力強く踊られるダンスの芯の強さは圧倒的です。勅使川原三郎さんもそうですが、佐東利穂子さんのそれがとにかく圧巻で、舞台上に満ちる感情のエネルギーを鋭くかき混ぜてゆくような、圧縮したり解放したり自在に操るような、人外の動きに目を奪われます。

 愛の死、というか外套のシーン(トリスタンの遺体に見立てた外套をイゾルデが被り、そのまま悲嘆のダンスを爆発させる)から先のソロには身震いが出ました。


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