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『海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史』(佐野貴司) [読書(サイエンス)]

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海山や海洋島のような小規模な高まりとは違い、幅が1000kmを超える広大な海底の台地が西太平洋にはいくつか存在します。これらは「巨大海台」とよばれています。中には高さが3000mを超えるものもあります。
(中略)
 ヌル教授たちは、これら巨大海台の構造や性質が周囲の海洋底とは違うため、大陸の一部であると考えました。かつて南半球に存在した巨大な大陸が分裂し、太平洋に散らばって巨大海台となっていると主張したのです。
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新書版p.23、24


 かつて太平洋に存在し、天変地異により海に沈んだという幻の大陸。ムー大陸は、はたして実在したのだろうか。パシフィカ大陸、ジーランディア大陸など、解明されつつある「海に沈んだ大陸」研究の最新成果を一般向けに紹介するサイエンス本。新書版(講談社)出版は2017年7月、Kindle版配信は2017年7月です。

 太平洋の海底に存在する巨大海台、それはかつて存在した大陸の断片なのか。そもそも大陸とは何か、どのようにして出来たのか。最新の地球科学が明らかにしつつある大陸の姿を解説する一冊です。全体は6つの章から構成されています。


「第1章 ムー大陸は本当にあったのか?」
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 西太平洋の海底に散らばっている巨大海台は、かつて陸であったとしても、個々の面積に注目すると島とよぶしかなく、やはり幻のムー大陸に匹敵するとはいえません。世界最大の島であるグリーンランドよりも大きな巨大海台は存在しないのです。しかし、ヌル教授らが提案したように、太平洋の巨大海台が集合してひとつづきの陸を形成していたとしたら話は別です。すべての巨大海台を合わせた面積は約900万平方キロメートルもあり、これはオーストラリア大陸の面積(769万平方キロメートル)を超えます。
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新書版p.32

 南太平洋に点在する巨大海台はかつて一つの大陸を構成していた、という衝撃的な仮説とその真偽をめぐる議論を紹介します。


「第2章 南太平洋の失われた大陸」
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今世紀に入ってからも、継続的な海洋調査により熱残留磁化データは蓄積され、過去のプレート運動が詳細に復元されつつあります。太平洋の多くの地域で詳細な海底地形の調査も進み、パシフィカ大陸の存在の検証を可能にする材料が集まってきました。
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新書版p.82

 かつて南太平洋に「パシフィカ大陸」が存在した。もしこの仮説が正しいとしたら、どうして大陸は散り散りになって巨大海台と化したのか。大陸移動メカニズム=プレートテクトニクスの基礎から最新情報までを解説します。


「第3章 そもそも大陸とはなにか? その材料と成り立ち」
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地学の世界では、大陸と海洋を区別する基準は海水の有無ではありません。(中略)大陸の一部は標高が0kmよりも低く、海水に覆われていますが、地学の世界では、この部分も大陸とみなします。海底に存在する「大陸棚」という地形をご存じかと思いますが、これが大陸のうちで海水に覆われた部分です。大陸棚も含めた大陸地殻の面積は地球表面の40%にもなり、これは陸の面積の割合である30%を10%も上まっています。
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新書版p.88

 そもそも大陸とは何か、その組成は海底とどのように異なるのか。「海に沈んだ大陸」の存在を検証するために必要な基礎知識を解説します。


「第4章 大陸形成の歴史」
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 それでは、年代とともに大陸がどのように成長していったのかを見てみましょう。図4-6に、著名な4人の研究者たちがそれぞれ提案した大陸の成長史を示しました。
(中略)
 一見しただけで、4つの成長史に大きな違いがあることに気がつきます。地質学の世界では、各研究者の主張がこれだけ大きく異なることはまれです。つまり、大陸の成長史は、地質学において最も解明が進んでいない問題の一つなのです。
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新書版p.146

 大陸はどのように形成されたのか。「地質学において最も解明が進んでいない問題の一つ」である大陸形成史に関する最新情報を解説します。


「第5章 第七の大陸は実在する!」
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 海に沈む複数の大陸の中で「第七の大陸」とよべそうなのは、ニュージーランドを含む「ジーランディア」です。(中略)このジーランディアの面積は、およそ400万平方キロメートルにもなり、世界最大の島であるグリーンランド(217万平方キロメートル)の2倍近い広さがあります。そのため、オーストラリア大陸(769万平方キロメートル)に次ぐ世界7番目の大陸だという地質学者もいます。そこで、今後は「ジーランディア大陸」とよぶことにしましょう。ただし大陸といっても、その大部分は海面下に存在しています。
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新書版p.175

 大部分が海面下にありながら、地質学的に「大陸」であるジーランディア。まさしく海に沈んだ大陸であるジーランディアに関する研究成果を解説します。


「第6章 大陸沈没を超える天変地異」
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 ムー大陸やアトランティス大陸の伝説が広く興味を持たれている理由は、大陸が沈んだという現象よりも、天変地異によって国や文明が滅んだという悲劇をはらんでいるからでしょう。その証拠に、ムー大陸伝説を紹介した本はいずれも、優れた文明が大洪水に襲われて壊滅したという悲劇を克明に記述しています。その一方で、大陸が海に沈むメカニズムについて説明・検証した本はありませんでした。ムー大陸が沈んだメカニズムを地質学的に検証したのは、おそらく本書が最初でしょう。
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新書版p.198

 大陸を沈めるほどの大規模な天変地異。しかし地球がこれまで経験してきた天変地異のスケールは、そんなものではありませんでした。超巨大火山噴火、巨大隕石衝突など、地質学が取り組んできた巨大天変地異に関する研究を解説します。


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