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『特別公演』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2017年3月2日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんの公演を鑑賞しました。仕事で世界中を飛び回っている二人が一時帰国して二日間だけ特別公演を行うとのことで、さすがに準備期間がないので、おそらく過去作品からの抜粋だろうなあなどと思っていたら、何と新作を踊ってくれました。上演時間60分の舞台です。

[キャスト他]

演出・照明: 勅使川原三郎
出演: 勅使川原三郎、佐東利穂子

 二つの音源が交互に流れます。終演後トークによる伝聞ですが、クラシックのヴァイオリン曲がバッハの『無伴奏ヴァイオリンソナタ』(演奏は庄司紗矢香)、ジャズのピアノ曲が『Blackberry Winter』(ピアノ演奏はキース・ジャレット)。執拗に繰り返されるこれらの曲に乗せて、勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんが踊ります。

 二人とも最初はほとんど動いているように見えず、照明のぎりぎりな薄暗さと相まって、まるで彫像のようにも影のようにも感じられます。

 やがて少しずつ少しずつ動きが見えてくるのですが、動いたら動いたで、これが幻を見ているような凄さ。後半になると激しい動きも出てきますが、とにかく佐東さんのなめらかで解像度の高い腕の動きや、勅使川原さんの決然とした一振りなど、思わずはっとする動きが印象的です。

 全体的にどこかもの悲しい雰囲気が漂っています。途中までお互いに無関係に踊っているように見えた二人が、最後の最後に並んで立ち、はじめて相手の存在に気づいたかのようにやや驚いたような表情で、顔を見合わせるラストは感動的。

 これも終演後トークによる伝聞ですが、タイトルをつけるとすれば「赦し」とのこと。不寛容さと攻撃的な言説によりギスギスしている世の中に向けて何か大切なものを表現したかったそうです。あ、勅使川原さんが思い詰めたような表情で何やらつぶやきながら壁に触れていたのは、あれはスマホの画面だったのか(個人の感想です)。

 あと終演後トークでこれから入っている予定を教えてくれましたが、香港(『トリスタンとイゾルデ』@香港シティホール)、キューバ(新作『One thousand years after』『Lost in Dance』他@グラン・テアトロ・デ・ラ・ハバナ(アリシア・アロンソ劇場))、北欧(新作オペラ『ピグマリオン』)、そしてフランスといった具合に、とにかく過密スケジュール。

 加えて5月にはシアターΧで新作公演『調べ』、さらにアップデートダンス新作(「4カ月ぶりの新作公演!」という宣伝文句がすごい)。こんなに仕事を詰め込んで大丈夫なのかと心配になるような充実っぷりです。



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