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『水牛の余波』(小池正博) [読書(小説・詩)]

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 単独の句集として、本書をもって私の第一句集としたい。
 川柳を作っていることに迷いはないが、「川柳とは何か」についてはますます迷いが深くなっていく。言葉を蕩尽する文芸、無名性の文芸である川柳の、その末端に連なることができれば嬉しい。
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 「言葉を蕩尽する文芸」、川柳。その蕩尽っぷりに目を見張る第一句集。単行本(邑書林)出版は、2011年3月です。


 小池正博さんの第二句集が面白かったので、前作も読んでみました。ちなみに第二句集の紹介はこちら。


  2017年02月01日の日記
  『転校生は蟻まみれ』
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-02-01


 言葉と言葉の異質な組み合わせから生ずる、何ともいえない不思議なおかしさ。第一句集もその感じにあふれていて素敵です。

 まず、動植物名の響きが妙におかしい作品。


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逆引きのいさかい順接のトナカイ
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軽鴨を見て乱心がはじまった
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朝顔の蔓が大河を越えてゆく
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練乳の沼から上がるヌートリア
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声紋が同じ動物ビスケット
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丸顔の恐竜だから狙われる
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二百には二百足りない揚雲雀
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カモメ笑ってもっともっと鴎外
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一斉に場外からは鹿の笑み
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 そして、言葉のリズムで煙にまくような作品。


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評定の途中で鼻が増えてゆく
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空調機から降りてくる見知らぬおばさん
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鏡台の後ろあたりで増えている
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廃線の枕木たちのアルタイ語
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風の辻曲がりきれずにまあいいか
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第五惑星こんなにあった仲介者
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雷鳴が来る春巻きを注文する
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高僧が雲に乗ったと広報課
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