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『バレエの世界へようこそ あこがれのバレエ・ガイド』(リサ・マイルズ、英国ロイヤル・バレエ:監修、斎藤静代:翻訳) [読書(教養)]

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敷地面積は10,000平方メートルもの広さ! 働いているスタッフは900人以上、1年の公演は400回以上、1回の公演で2,200人以上の席が用意されます。
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単行本p.19

 英国ロイヤル・バレエ全面監修による、親子で楽しめるバレエのガイドブック。単行本(河出書房新社)出版は2015年3月です。

 一瞬、英国ロイヤルバレエの写真集かと思うような大型本です。全ページ美しいカラー写真が掲載されており、またすべての漢字にふりがなが振られているので、子供が自力で読むことも出来るでしょう。

 バレエの歴史から始まって、英国ロイヤル・バレエ団の紹介、ステージを支える様々な仕事、バレエ・スクール、名バレエダンサー、名作バレエの紹介、などが易しく解説されています。

 感心させられるのは、「舞台で見るバレエ」のことよりもむしろ、バックステージというか、英国ロイヤル・バレエ団で働いている人々の様々な仕事を詳しく紹介してくれるところ。


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『くるみ割り人形』の雪の精のスカートを36着つくりなおしたことがありましたが、そのときには一日に1着しかできませんでした。『オネーギン』の衣装ぜんぶと『白鳥の湖』の白鳥たちの衣装40着も、おなじときになおさなければならなかったからです。
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単行本p.31


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英国ロイヤル・バレエのダンサーたちは、毎年6000足のバレエシューズと6000足のトゥシューズをはきつぶします。シューズ部門は、リハーサルから本番までダンサーがこまらないように、じゅうぶんにシューズを用意しておきます。
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単行本p.37


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テクニカル・チームは、まずツアー先をたずねて、大きさや設備がちょうどいい劇場があるかどうかたしかめます。近くにリハーサル用の会場があるか、交通やホテルなどが便利かどうかもしらべます。これはツアーの1年以上も前の仕事で、そのあと本番の数か月前に、衣装やセットなどを船やトラックで運びこみます。
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単行本p.43


 紹介されている仕事は、振付、オーケストラ(指揮者)、舞台美術、小道具、照明、衣装、ドレッサー、シューズ、メイクアップアーティスト、芸術監督、テクニカルチーム、バレエ・マスター、バレエ・ミストレス、レペティトゥール、教師、スケジュール管理、ノーテーター、ピアニスト、舞台監督。

 健康管理部門だけでも、チームリーダー、スポーツ科学専門家、理学療法士、軟部組織療法士、スポーツ医、精神科医、ピラティス/ジャイロトニック・インストラクター、栄養士、リハビリ・コーチ、という具合に細分化された仕事が紹介されます。

 さすがの英国ロイヤルバレエ全面監修、ほとんど就職ガイド。子供たちに、あの美しい舞台を支えるためにどれほど多くの人々が裏で働いているか、そしてダンサーにならなくてもバレエのために働ける仕事はいくらでもある、ということを教えてやる、という気合が感じられます。

 バレエの舞台には興味があるけど、初めてなのでどれを観ればいいのかよく分からない、という方のためのガイドも充実しています。


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はじめて見にいくのなら、フレデリック・アシュトンの『ラ・フィユ・マル・ガルデ(リーズの結婚)』がおすすめ。(中略)
有名な作品はDVDになっていますから、どれでも好きなのをえらべます。はじめて見るなら、『くるみ割り人形』『コッペリア』『ピーター・ラビットと仲間たち』がおすすめです。
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単行本p.76、77


 というわけで、子供のためのバレエ入門書として大変おすすめの一冊。子供たちのバレエに対するイメージが、夢のようにふわふわしたものから、大勢の人によって支えられている現実の(そして憧れの)仕事、というイメージに変わるといいですね。

 余談ですが、掲載写真リストに崔由姫(チェ・ユフィ、Yuhui Choe)さんの名前があったので、あわてて探したのですがどうにも見つからず、困惑しました。実は、あまりにも目立つところに、ばーん、とフルページ掲載されていたので、かえって見逃していたのでした。後で確認したら、写真リストにはちゃんと掲載ページ数も明記されていた、というオチ。これから読む人は注意しましょう。


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