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『キュロテ 世界の偉大な15人の女性たち』(ペネロープ・バジュー、関澄かおる:翻訳) [読書(教養)]

――――
 哀しみも、愛する喜びも、立ち向かい続ける強さも、私たちはみんなこの胸に持っています。でもいろんなことに忙殺される日々の中でそのことを忘れてしまって、まるで自分がひとりぼっちみたいに思えてしまったりもします。そんな時こそ、この『キュロテ』を開いて、聞いてください。あなたは、私たちは、ひとりじゃないよ。わかるよね? 紀元前の彼方、地球の反対側、はるか遠くから投げかけられ続けている声を。
――――
単行本p.147


 権力と命がけで戦った女性、ショービジネス界で一世を風靡した女性、不朽の名作を残した女性。社会の偏見に屈することなく、自由や誇りや愛を貫いてみせた偉大な女性たち。男のための「世界の偉人伝」からは無視される彼女たちの鮮烈な生きざまを、美しい絵と文章でうたいあげるグラフィックノベル。単行本(DU BOOKS)出版は2017年11月です。


 まずは、瀧波ユカリさんによる『臨死!!江古田ちゃん』のアグレッシブな解説から。


――――
 女はこのように笑い、怒り、楽しみ、泣き、哀しみ、絶望し、そして前へ進んでいく。どう? 物珍しいでしょう? だってこれは全て、あなたたち男性が見ようとしないこと、無視し続けていることなのだもの。馬鹿な女の赤裸々ストーリーだと思って、消費してくださってもかまいませんよ。そんなあなたたちの姿勢すら、ネタにして差し上げますから。そんな喧嘩腰なスタイルで、私はそのデビュー作を男性誌で10年描きました。
――――
単行本p.146


 偏見に屈しない女、好きなように生きる女、逆境の中で戦い続ける女。「男性が見ようとしないこと、無視し続けていること」、そんな女性の生きざまを描いたグラフィックノベルです。取り上げられている偉人は、次の15名。


・ヒゲで一世を風靡したバーの女主人 クレモンティーヌ・ドゥレ
・最強&最凶!列強の侵略から小さな祖国を守り抜いたアフリカの女王 ンジンガ
・“西の悪い魔女”を演じた、心優しきホラー女優 マーガレット・ハミルトン
・国の平和に身を捧げた美しき3姉妹 コードネーム: ラス・マリポサス(ミラバル姉妹)
・言葉通りの“永遠の愛”を貫いた女性 ヨゼフィーナ・ファン・ホーカム
・勇猛果敢なアパッチ族の女戦士 ローゼン
・“水中のヴィーナス”と呼ばれた、水着の開発者 アネット・ケラーマン
・アフリカ大陸を横断した初の女性冒険家 デリア・エイクリー
・人種差別と戦い、孤児救済に尽力した黒人ダンサー ジョセフィン・ベイカー
・大人気キャラクター「ムーミン」の生みの親 トーベ・ヤンソン
・古代ギリシャ初の女性医師 ハグノーディケー
・DV夫に別れを告げ、祖国を救った平和運動家 リーマ・ボウイー
・アメリカ最古の灯台を守った老女 ジョージナ・リード
・性別適合手術を世に知らしめた“女性" クリスティーン・ジョーゲンセン
・中国史上唯一の女帝 武則天(則天武后)


 絵と文章で描かれた伝記。最後に見開きでカラー絵がついているのですが、これが素晴らしい出来映え。個人的には、絵だけでなく、文章の力にも注目してほしい。ときにストレートに、ときに辛辣な皮肉をこめて、女性の功績をしばしば無視する社会に対して異議申し立てしてゆく。それは女性の読者を、男性の読者だって、勇気づけ、命を救う言葉なのだと思います。


――――
どうせ珍品扱いなんだから、と
人前では気さくで陽気な有名人を演じつつ
自らの尊厳を守り、女性としての人生を
淡々と歩んだクリスティーン

(ほら、笑って★)

好奇の目にさらされながらも
常に凛としていた

彼女は、ほかのみんなも
自分らしく生きられるように
あらゆる困難を乗り越え
自ら広告塔となったのだ

「世の中を変えたとまでは
言わないけど、時代のお尻を
けっ飛ばすくらいはしたわ」
――――
単行本p.133


――――
トーベはムーミンのすべてを
弟のラルスに託した
(以後、物語は彼が執筆した)

そして、残りの人生は
好きなように作品を描いて
タバコを吸って、旅をして
トゥーリッキとの時間に費やした

まるでムーミン一家がクレープを焼いて
ピクニックに出かけて、物語を語って
お互い世話を焼くように

ほかのことは
どうでもいいかのように
――――
単行本p.93


――――
武則天は81歳で崩御
墓碑には彼女の
生前の功績が刻まれる
はずだったけど――

いまだ何も
記されていない

何世紀もの間、歴史学者は
秘密警察や政敵排除のこと
ばかりを強調し、中国版・ハートの
女王のように描いてきた

「枕営業までしてたってよ!」

けど、見方を変えれば
武則天の短くはかない王朝は
政争を除いておおむね平和であり
様々な分野(芸術、社会制度改革
など)で、実は中国史上
最も進んでいた時代とも言える

逆に、何かというと
(アリエナイこととして)
彼女が“オソロシイ”、
“ガンコ”な“野心家”
だったとされるの……

歴史上、
皇帝のほぼ全員に
共通する性格
(で、ほめ言葉)
なんだけどね……

「中国史上、
たったひとりの女帝に
それを認めるのは
難しいらしいわ」
――――
単行本p.143



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『紙の世界史 歴史に突き動かされた技術』(マーク・カーランスキー、川副智子:翻訳) [読書(教養)]

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 紙を作れるか否かを文明の指標とすると、びっくりするほど今までと異なる、だが、まちがってはいない歴史絵図が出現する。この見方にしたがえば、文明は紀元前220年にアジアに始まり、アラブ世界へと広がっている。アラブ人は何世紀ものあいだ世界の支配的な文化の担い手だった。一方、ヨーロッパ人は地球上もっとも遅れていた。字を読めず、科学の片鱗もなく、単純な計算もできなかった。交易の記録にすら紙の必要を感じていなかった。
(中略)
 のちの歴史でヨーロッパが躍進し、アラブとアジアの競争相手より優位な位置につくことができたのは、中国の発明である可動活字に負うところが多い。ヨーロッパ人が可動活字を自分たちのために役立てられたのは、アジア人やアラブ人とはちがって可動活字に非常に適した文字体系をもっていたからだ。こうしてヨーロッパ人は、自分たちにとって望ましい形で後世の人々に読まれるような歴史を書き残すことになる。
――――
単行本p.15、16


 記録したい。人間だけが持つこの根源的な欲求につき動かされるようにして生まれた「紙」という記録媒体。それは、その後のあらゆる歴史に深く関与してゆくことになる。世界各地における紙の歴史を通じて、テクノロジーと社会変化の関係を洞察する一冊。単行本(徳間書店)出版は2016年11月です。


――――
 紙の歴史を学ぶことは歴史上の数々の誤解を白日のもとにさらすことでもある。とりわけ重要なのがここで問題にしているテクノロジーにまつわる誤解、すなわち、テクノロジーが社会を変えるという認識である。じつはまったくその逆で、社会のほうが、社会のなかで起こる変化に対応するためにテクノロジーを発達させている。
(中略)
 ひとつの新しいテクノロジーが社会に対してなにをするかを警告することはだれにもできない。なぜなら、そのテクノロジーを導入した時点で社会はすでにつぎの段階へ移行しているから。マルクスがラダイトについて指摘したのはそこだった。テクノロジーは促進役にすぎない。変わるのは社会であり、社会の変化が新たな需要を生む。それが、テクノロジーが導入される理由である。
――――
単行本p.8


 全体は序章と終章を含めて20個の章から構成されています。


「序章  テクノロジーの歴史から学ぶほんとうのこと」
「第1章 記録するという人間だけの特質」
「第2章 中国の書字発達と紙の発見」
「第3章 イスラム世界で開花した写本」
「第4章 美しい紙の都市ハティバ」
「第5章 ふたつのフェルトに挟まれたヨーロッパ」
「第6章 言葉を量産する技術」
「第7章 芸術における衝撃」
「第8章 マインツの外から」
「第9章 テノチティトランと青い目の悪魔」
「第10章 印刷と宗教改革」
「第11章 レンブラントの発見」
「第12章 後れをとったイングランド」
「第13章 紙と独立運動」
「第14章 ディドロの約束」
「第15章 スズメバチの革新」
「第16章 多様化する使用法」
「第17章 テクノロジーの斜陽」
「第18章 アジアへの回帰」
「終章  変化し続ける世界」


「序章  テクノロジーの歴史から学ぶほんとうのこと」
「第1章 記録するという人間だけの特質」
――――
 人類の歴史におけるテクノロジーの推移を見渡しても、話し言葉から書き言葉への変化に匹敵するほど大きな移行があるだろうか?
 ところが、その移行があってからは、社会はもはや高価で生産ペースの遅い書写媒体ではやっていけなくなった。蝋の処分しやすさと、葉の軽さ、粘土の安さ、そして羊皮紙の耐久力をも兼ね備えた素材が求められていた。
――――
単行本p.46

 古代における記録媒体の歴史を振り返りつつ、「新しいテクノロジーの登場により社会が大きく変化するのではなく、先に社会の変化が起こり、その需要により新しいテクノロジーが開発されるのだ」という本書全体を貫く歴史観を解説します。


「第2章 中国の書字発達と紙の発見」
――――
 紙というものがどうして発案されたのかはいまだ謎である。紙以前の書写媒体とはなんの関わりもない。(中略)どんな思考回路から生まれたにせよ、紙が長い進化の過程をたどったのはたしかだろう。どこかのひとりの天才がぱっと思いついたとはとても考えられない。
――――
単行本p.55、56

 古代中国における四大発明のひとつ「紙」の発明について、現在までに判明していることをまとめます。


「第3章 イスラム世界で開花した写本」
「第4章 美しい紙の都市ハティバ」
「第5章 ふたつのフェルトに挟まれたヨーロッパ」
――――
 錬金術、天文学、工学、数学の書物はアッバース朝のもとで隆盛を迎えた書物のほんの一部だった。当時のヨーロッパでは数百冊の蔵書があれば大図書館である。スイスのザンクト・ガレン修道院付属の図書館の蔵書は四百冊、十二世紀フランスのクリュニー修道院は五百七十冊。一方、同時代のアラブの図書館は私設でさえ何千という蔵書があり、何十万冊を所蔵するところまであった。
――――
単行本p.92

 アラブ世界、およびヨーロッパにおける紙の歴史を概説します。


「第9章 テノチティトランと青い目の悪魔」
「第12章 後れをとったイングランド」
「第13章 紙と独立運動」
――――
 メソアメリカ人が真の意味での紙を作っていたかどうかは議論が分かれている。もし作っていたなら、彼らの文明は中国以外で唯一、紙を発明していたことになる。その点に疑念が抱かれるのは、メソアメリカ文明がスペイン人によって徹底的に破壊されたために、現代のわたしたちがどうしても知り得ないことが多々あるという事実に起因している。メソアメリカ人が蔵書で埋め尽くされた図書館をもっていたことはわかっている。ただ、現存するのは古代マヤ人の残した冊子本「コデックス」の三冊と、アステカ人が製作した十五冊のみである。
――――
単行本p.210

 中南米の古代文明、英国、アメリカ合衆国における紙の歴史を概説します。


「第6章 言葉を量産する技術」
「第7章 芸術における衝撃」
「第8章 マインツの外から」
「第10章 印刷と宗教改革」
「第11章 レンブラントの発見」
「第14章 ディドロの約束」
――――
 いずれにせよ可動活字によ活版印刷の出現は羊皮紙と紙の競い合いを終わらせた。グーテンベルクの二百部の『聖書』のうち羊皮紙に印刷された三十五部によって、紙のほうが印刷媒体として優れていることが明白になったのだ。羊皮紙は手書きの文書や原稿を書写するための媒体であり、印刷はまさに紙のために開発された技術だった。
――――
単行本p.168

 印刷術の発明によって羊皮紙に対する紙の優位性が決定的なものとなり、さらに言葉を大量に広範囲に届けることが可能になった。さらに芸術作品にも紙が用いられるようになる。宗教、文化、芸術、科学、あらゆる場面で紙が活躍するようになってゆく様子を概説します。


「第15章 スズメバチの革新」
「第16章 多様化する使用法」
「第17章 テクノロジーの斜陽」
――――
 森林伐採がもたらす環境問題について、製紙業界は合衆国内のみならず世界的規模で圧力を受け続けている。消費者は熱帯雨林や生態学的に稀少な原生林を皆伐して作った紙を求めない。そうした紙が使われた製品を買わないように、あるいは紙を完全に避けて電子機器に切り替えるように消費者をうながすキャンペーンの成功例もある。トイレットペイパーをボイコットしようという呼びかけさえあるぐらいだ。トイレットペイパーの代用となる電子機器は今のところだれも見つけていないから、このキャンペーンは成功しそうにないけれども。
――――
単行本p.395

 それまでの繊維にかわって木材パルプを用いた製紙技術が発達するとともに、公害問題、資源問題がクローズアップされてゆく経緯を概説します。


「第18章 アジアへの回帰」
「終章  変化し続ける世界」
――――
 紀元一世紀、中国人が作りはじめた紙は、その後何世紀にもわたってアジアの特産であり続けた。やがて紙が世界の隅々にまで受け入れられるようになると、もはや紙をアジアの特産と考える人はほとんどいなくなった。だが、紙の発明から二千年が経った二十一世紀の今、中国はふたたび世界の製紙を率いるリーダーとなり、日本人は世界が認める手漉き紙の達人となっている。
――――
単行本p.410

 現在、紙の生産量世界一は中国、そして最高品質は日本の和紙である。世界中をめぐってきた紙の物語の舞台は、ふたたびアジアに戻ってきた。さて、次の時代はどうなるのだろうか。コンピュータ技術によって紙がなくなる日がやってくるのだろうか。歴史的視点から、紙の現在と未来をみつめます。



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『偉人はそこまで言ってない。 歴史的名言の意外なウラ側』(堀江宏樹) [読書(教養)]

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 本書でいうところの「ウソ名言」に代表されるのは、誰もが知るナポレオンの名言「余の辞書に不可能の文字はない」や、マリー・アントワネットの「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」など。この二つ、どちらも本人がいった言葉ではないのをご存じでしょうか?
(中略)
 このように、名言というものは、それらが生み出された歴史や文脈から完全に切り離され、一人歩きしている……つまり、勝手に解釈されてしまっているケースが実に多いのです。
――――
文庫版p.3、5


 余の辞書に不可能の文字はない、パンがなければお菓子を食べればいいじゃない、それでも地球は回っている。そんなこと言ってない、ひとことも言ってないよ!
 偉人伝につきものの「名言」のほとんどは後世の捏造。ということで、名言のウラを探る面白おかしい一冊。文庫版(PHP研究所)出版は2017年12月、Kindle版配信は2018年2月です。


――――
「偉人」の「名作」のワンフレーズを、本当はその原典を読んだことすらない「知識人」の方々が誤用、それが一般に広がってしまう流れが世界中で起きているのだと思うと、空恐ろしいものがありますね。
――――
文庫版p.72


 というわけで、世間に「名言」として流布しているが、実は本人が言ってないものを「ウソ名言」としてピックアップして解説する一冊です。

 まったくの捏造から、他人が言った言葉、引用だった言葉、意味や文脈が甚だしく誤解されている言葉など、さまざまな「ウソ名言」が取り上げられています。


「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」

「ブルータス、お前もか」

「地球は青かった」

「それでも地球は回っている」

「悪法もまた法なり」

「余の辞書に不可能の文字はない」

「健全なる精神は健全な肉体にやどる」

「人民の人民による人民のための政治」

「朕は国家なり」

「敵は本能寺にあり」

「心頭滅却すれば火もまた涼し」

「日本の夜明けぜよ」

「板垣死すとも自由は死せず」

「天災は忘れた頃にやってくる」


 どの名言を誰が言った(とされている)か、すべてお分かりでしょうか。実はこれ全部ウソ。他にも、

「少年よ大志を抱け」と言ったクラーク博士は、帰国後に大志ゆえに投資した事業に大失敗して失意のうちに死んだ。

「すべてを思い通りに成し遂げるのでなければ、何もなさなかったと同じ」と言ったナイチンゲールは、医療ミスで2万人ほど殺しちゃった。

「私には夢がある」と言ったキング牧師は、夢を追い求めて浮気しまくった。

などなど、名言の影に隠れている興ざめな事実も取り上げられています。



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『journey knowledge 台湾旅行情報2018』(千屋谷ユイチ) [読書(教養)]

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検索サイトで無駄に上位にいるくせに中身のない某知恵袋や、肝心な情報が書かれていない個人ブログ等を延々と検索し続けるのが嫌になったのが制作動機です。著者自身で利用することが主目的なため情報に偏りがあります。
――――
同人誌p.3


 市販のガイドブックでは省略されがちな基本情報を、現地調査を行いまとめた台湾旅行情報本の最新版。同人誌出版は2017年12月です。

 更新情報、サンプル、通販リンクなどは以下のページへ。

  journey knowledge台湾旅行情報2018 サポートページ
  http://cytn.info/jktw2018_support/


目次

「入出国」
 査証/護照/入出境/退税/海關

「交通」
 日本―台湾航空路線/台灣國内線/電子票證/高鐵/台鐵/捷運/市區公車/公路客運・國道客運/フリーパス類/區域交通/台北駅周辺 バスアクセスマップ/機場交通/渡輪/計程車/公共自行車/租車

「通信」
 公用電話/國際電話/國際漫遊/預付SIM/公衆上網/郵件/包裹

「その他」
 飯店・旅社/自助洗/便利商店/儲物・行李/地址/貨幣/外幣交換/信用/電力・水/氣候/安全/文化・習慣/日期/假期/語言

「付録」
 トラブルシューティング


 内容全般については前記のサポートページで確認して頂くとして、ここでは個人的に「おおっ」と思った、観光ガイドブックに乗ってない情報(役に立つとは限りません)をいくつか引用しておきます。


――――
「台北松山機場」

 開港時間が5:00~23:00なので早朝便に合わせての空港泊はできない。台北車站からタクシーを利用すると220元程度かかる。(中略)機場から敦化北路を約3Km南下すると24時間営業の誠品書店敦化店があるので夜明かしに利用できなくもない。
――――
同人誌p.9


――――
「水道」

 ガイドブック等では飲用に適さない、となっている。ただ、実際に外に飲み物買いに行くのが面倒で台北市内のドミトリーでコップ2~3杯程度飲んでみたが、何となく金属臭さを感じたものの、それ以降特に体調に変化はなかったので味はともかくとして飲用にしてもそこまで問題ないレベルだと言うのが個人的な結論。
――――
同人誌p.69


――――
「立法院・台北市政府・交流協会周辺」

 政治的に面倒な人たちが集まることが多いため、必要がなければ近寄らない方が良い。
 特に立法院周辺はテント村のようなものがあったり、赤い国旗を掲げてうろうろしている人達が多い。
 また、この手の人たちは日本を糾弾対象にしていることが多いため、拡声器で罵声を浴びせてくることもある(大抵は中国語で叫んでいるが稀に怪しい日本語で叫んでくることも)。直接絡んでくることはこちらが抗議や反撃に及んだりしなければまずない。
――――
同人誌p.70


――――
「颱風(台風)」

 台湾人は台風慣れしすぎていて逆に防災意識が低くなっているという指摘もあるので(現に停班停課を利用して屋内の娯楽施設へ向かう人は多い)、人が出歩いているから大丈夫とは限らないので台風来襲中に外出しなければならない場合は細心の注意を払う必要がある。
 繰り返しにはなるが、建物のメンテナンスが甘く、建て付けの悪い看板などが街中を飛び交うことも多い。
――――
同人誌p.72


――――
「語言」

 実際のところ「悠好」「謝謝」「對不起」の挨拶や返事と「没有」が聞き取れれば大きなトラブルにでも巻き込まれない限り何とかなってしまうことが多い。
――――
同人誌p.74



タグ:台湾 同人誌
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『ちいさい言語学者の冒険 子どもに学ぶことばの秘密』(広瀬友紀) [読書(教養)]

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 私たち大人が自力で思い出せない、「ことばを身につけた過程」、直接のぞいてみられない「頭の中のことばの知識のすがた」を、子どもたちの助けを借りて探ってみましょう。子どもたちはそうした知識をまさに試行錯誤しながら積み上げている最中です。大人の言うことを丸覚えにするのでなく、ことばの秩序を私たちが思うよりずっと論理的なやり方で見いだし、試し、整理していく――子どもたちが「ちいさい言語学者」と呼ばれるゆえんです。
――――


 いままさに試行錯誤しながら言葉を学んでいる最中の子どもたちの「言い間違い」や「変な言葉使い」を観察すると、すでに習得してしまった大人には逆に分からなくなってしまった日本語のロジックが見えてくる。子どもの言語習得から言葉について学ぶ一冊。単行本(岩波書店)出版は2017年3月です。


――――
日本語のネイティブだから、日本語だとそう言うのはあたりまえだから、かえってわかっていないことは実はたくさんあります。山ほどある中のほんの一例ですが、「おんな」と「こころ」という語をくっつけたら「おんなごころ」というふうに「こころ」にテンテンがつくのに、「おんなことば」だと「こ」にテンテンはつかない。言われなくても実際には言い間違えないけど、どういう理屈でそう決まっているのか考えたことがなかった、というのが普通だと思います。だけど私たちみんな、無意識にわかっているらしい(だから言い間違えることはない)。だけど…けれど…何をわかっているからなのかがわからない!
――――


 実際に話すときには言い間違えないのに、なぜそう言うのか説明しようとすると、いきなり「自分が何をわかっている(からこそ言い間違えない)のかがわからない!」となってしまう日本語の仕組みや構造を、子どもの言語習得過程におけるエラーを観察することで解き明かしてゆく本です。全体は七つの章から構成されています。


「第1章 字を知らないからわかること」
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 自分の身のまわりで、親、きょうだい、親戚や保育士さんや先生が話しているこのことばにはいろんな音があって、どんな特徴をもとに整理できるのか、音と音との関連を見いだせるのか、音の使われ方にはどんな決まりがあるのかという知識を、子どもは無意識のうちに脳内で一生懸命つくりあげます。そしてやがて、音と文字との関係についても知識の幅を広げていくのです。そのさい、歴史的な変遷の絡んだ日本語の特殊事情まで最初から了解済みなんてことはありません。なので、しばしば大人から見たら単純な間違いをすることもありますが、「「は」にテンテンつけたら何ていう?」と聞かれたときのさまざまな珍回答は、大人が見逃している、言語音の背後にある一貫したシステムや法則性について私たちにむしろ多くのことを教えてくれているのです。
――――
単行本p.11

「「た」にテンテンつけたら何ていう?」「だ」
「「さ」にテンテンつけたら何ていう?」「ざ」
 ここまでスラスラと答えられる子どもが、
「「は」にテンテンつけたら何ていう?」「…」
と聞かれた途端に混乱してしまうのはなぜか。

 音と文字の対応関係について学んでいる最中の子どもは、私たち大人が思うよりもずっと論理的に規則推論を行っていることを示します。


「第2章 「みんな」は何文字?」
――――
いろいろな言語の音の区切り方を比較する実験を多く行っていた大竹孝司さんたちの研究グループが、「タンシ(端子)」という発音を聴かせて、そのなかに tan という音があるかどうか答えさせるという課題を行いました。これには英語話者もフランス語話者も、そして日本語話者も、ちゃんとYESボタンを押して反応しました。しかし「タニシ」と発音した音声のなかに tan という音があるかを尋ねた場合は、日本語話者のほとんどはYESボタンを押さなかった一方、英語話者とフランス語話者は「タンシ」と聞いた場合と同様にYESと反応したと報告されています。
(中略)
 日本語の音のシステムを身につけたわれわれの耳と、そうでないシステムを持つ言語の話者の耳では、同じ音声でも異なった扱われ方をするのだ。そのことを今回「特殊拍」の取り扱いに関して紹介した3~4歳児のエピソードは裏づけてくれているようです。
――――
単行本p.26

 子どもが、言葉の区切りとして、「ん」という拍を独立した単位として扱わないのはどうしてか。音節や拍など、言葉のリズムに関する知見を示します。


「第3章 「これ食べたら死む?」 子どもは一般化の名人」
――――
 ところで「死む」「死まない」「死めば」はそもそもどうしておかしいのでしょう。「飲む」「飲まない」「飲めば」あるいは「読む」「読まない」「読めば」とは言うのに。
 大人が子どもに話しかけることばにもよく出てきそうな「飲む」「読む」は、マ行の音で展開する五段活用です。同様の動詞は他にもたくさんあって、「はさむ」「かむ」「つかむ」などなど、どれも同じように活用します。そしてご存じのように、マ行以外の五段活用も日本語にはさまざまありますが、ナ行の五段活用というのはじつは現代の日本語(少なくとも標準語)では「死ぬ」ただひとつなのです。(中略)子どもは、ふだん多く触れている、いわば規則を熟知しているマ行動詞の活用形を「死ぬ」というナ行動詞にもあてはめているのだと推測できます。
――――
単行本p.35、36

 多くの子どもが「死む」「死まない」と発音するのはなぜでしょうか。言葉を学ぶ際に生ずる「規則の過剰適用」という現象について解説します。


「第4章 ジブンデ!ミツケル!」
「第5章 ことばの意味をつきとめる」
――――
 子どもはどうやら、一般化できるルールを見いだすことにつながりそうな場合だけ、周囲から得られる情報を参考にしているようです。そのルールが、たとえ大人の文法としては間違っていても、当の子どもがそれでやっていけると思っている段階では、その反例となるような大人の正しい用法も、指導もスルー。ただし、新たな一般化規則が見いだせそうであれば、また大人のことばを参考にしてみたりする。そうして自分で試行錯誤を繰り返していく。
――――
単行本p.56

 子どもは大人の言葉使いを直接学んでいるのではなく、自分の中で一般化規則を作り上げてゆく上で必要な情報だけを取捨選択して取り込んでいる。言語学習のメカニズムに関する興味深い知見を明らかにします。


「第6章 子どもには通用しないのだ」
「第7章 ことばについて考える力」
――――
大人になるまでに、私たちは、相手の言うことを、表現そのものから得られる情報のほかに、自分をとりまく「状況」「文脈」も考慮にいれた総合的な判断のもとに解釈できるようになります。
(中略)
 ことばを情報伝達の手段として使うだけでなく、ことばそのものの形式・規則やその役割に関する無意識の知識への「気づき」を意識の上にとりあげる力、それを客観的に見つめ、時にはそれをいじって遊ぶことのできる能力。この力を育て、使うことにより、子どもたちのことばの旅はより豊かなものになっていきます。その能力は、母語の力を培うだけでなく、日本語以外の言語に触れたときにも、きっと大きな力になってくれることでしょう。
――――
単行本p.89、103

 言葉は「文字通り」とは限らず、状況や文脈によって意味が変わってくること。言葉そのものの形式や規則に気づき、それをいじって遊ぶ能力。子どもが言葉を学ぶだけでなく、言葉の使い方を学ぶ過程を見つめます。



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