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『2012年スターダンサーズ・バレエ団3月公演』(吉田都、ロバート・テューズリー、スターダンサーズ・バレエ団) [舞台(バレエ)]

 昨日(2012年03月04日)は、夫婦でゆうぽうとホールに行って、スターダンサーズ・バレエ団の3月公演(トリプルビル)を鑑賞しました。何しろ、吉田都さんがロバート・テューズリーと組んでバランシン作品を踊る、というのです。観ないわけにはゆきません。

 まず最初の演目は、バランシンの『ウェスタン・シンフォニー』。カウボーイと美女たちがキメキメで踊る西部劇ノリの、バランシンのアメリカラブが能天気に炸裂したような楽しい作品。ほんわか気分になります。

 次の演目は、ウィリアム・フォーサイスの『ステップテクスト』。四名で踊るシャープな、いかにもコンテンポラリーな作品です。以前、ブベニチェク兄弟がドレスデン国立歌劇場バレエ団を率いて来日した公演で特別ヴァージョンを観たことがあり(2010年01年24日の日記参照)、仕掛けや構成についてあらかじめ分かっていたので、落ち着いて観ることが出来ました。

 そして何といっても今夜のハイライトは、吉田都&ロバート・テューズリー。

 ロバート・テューズリーといえば、2009年の後半に放映された「NHK スーパーバレエレッスン ロイヤル・バレエの精華 吉田都」において、吉田都さんの模範演技でパートナーをつとめていたあの方。

 ちみなに、2010年01月03日に放映された「第53回 NHKニューイヤー・オペラコンサート2010」における『“ロメオとジュリエット”よりバルコニーのパ・ド・ドゥ』でも、吉田都さんとパートナーを組んで踊りましたし、何となくこの二人が日本で踊るというのは「お馴染み」という感じがします。

 今回その二人が踊ったジョージ・バランシンの『ワルプルギスの夜』。初めて観た作品です。(テューズリーを除く)女性ダンサーばかりが登場して可憐に舞い踊る群舞中心の美しい舞台。

 吉田都さんが踊ると、いや登場するだけで、舞台の雰囲気が変わります。限りなく優雅で、優しく、揺るぎなき正確さ。音楽(グノーのオペラ『ファウスト』より)への合わせ方が尋常ではないレベルで、というか音楽そのものが具現化したような動きに魂抜かれそうになります。

 ロバート・テューズリーのサポートも立派でしたし、ソロも気合が入っていましたが、すいません、吉田都さんの印象しか残ってません。たぶん、ぼおっとしてたんだと思う。


『ローザンヌ・ガラ 2010』 [舞台(バレエ)]

 ローザンヌ国際バレエコンクールの元入賞者を集めたガラ公演を観るために、夫婦で青山劇場まで行ってきました。

 まあ暑気払いに、みたいな軽い気持ちで行ったのですが、期待をはるかに上回る凄い公演で、嬉しいというより愕然としました。

 特に中村恩恵さんの「The Well-Tempered」。その魂を刻み込んでくるような表現には震撼。中村恩恵さんの振付、ダンス、演出(照明、衣装)、いずれもずば抜けていました。凄い。中村恩恵さんは凄い。

 SHOKO(中村祥子)さんが踊った「アダージェット ~アレス・ワルツより」も素晴らしい。振付はちょっとどうかと思いましたが、祥子さんの貫祿というかカリスマ性というか、その存在感が強烈で、観ていて臓腑に響くような感動を覚えます。中村祥子さんはスターダンサーだなあ。

 と言いつつ、個人的には、「タイス」のパ・ド・ドゥを踊った崔由姫(Choe Yuhui、チェ・ユフィ/チェ・ユヒ)さんが最も印象的だったかも。初めて舞台を観たのですが、むおー、これが、あまりの可愛さにノックアウト。動きのキレ、安定感、優雅さ、どこをとっても素晴らしいのですが、とにかくキュート。そうです。ええ。そうですね。

 「譜と風景」(振付:アレッシオ・シルベストリン)を踊った金田あゆ子さんも、そのクールな容貌と鋭い目つき、びしっと決めるポーズなど、あまりの格好良さにシビれました。

 齊藤亜紀さん、ウィム・ヴァンレッセンさんのコンビは、フォーサイスの「イン・ザ・ミドル」を、何だかとても格調高くというか、クラシック風に踊っていて、その表現が新鮮に感じられました。

 ある意味で今回の主役とも言えるのが、今年のローザンヌで三位入賞した佐々木万璃子さん。コンクールの演目2つをそのまま踊ってくれました。若さに似合わず堂々とした印象で、今後が楽しみなダンサーだと思います。

 他にクラシック系では、「ロミオとジュリエット」のパ・ド・ドゥを踊った荒井祐子さん、清水健太さんのペアと、「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」を踊った加治屋百合子、ジャレッド・マシューズさんのペアが、いずれも清涼感あふれる爽やかなバレエで観客席を大いに沸かしてくれました。

 全体的にレベルが高く、どの演目も楽しめる非常に良い公演でした。

[演目]

「ラ・バヤデール」よりヴァリエーション
佐々木万璃子

「眠れる森の美女」第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
神戸里奈、蔵健太

「譜と風景」(振付:アレッシオ・シルベストリン)
金田あゆ子、横関雄一郎

「タイス」パ・ド・ドゥ(振付:フレデリック・アシュトン)
崔由姫、平野亮一

「In The Middle, Somewhat Elevated」より(振付:ウィリアム・フォーサイス)
齊藤亜紀、ウィム・ヴァンレッセン(Wim VANLESSEN)

「海賊」よりグラン・パ・ド・ドゥ
河野舞衣、ルカス・スラヴィツキー(Lukas Slavicky)

「Traces」(振付:キャシー・マーストン)
佐々木万璃子

「ロミオとジュリエット」よりパ・ド・ドゥ
荒井祐子、清水健太

「アダージェット ~アレス・ワルツより」(振付: レナード・ツァネラ)
SHOKO(中村祥子)、ヴィエスラフ・デュディック(Wieslaw DUDEK)

「The Well-Tempered」(振付:中村恩恵)
中村恩恵、首藤康之

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:G. バランシン)
加治屋百合子、ジャレッド・マシューズ(Jared Matthews)


『マイヤリング(うたかたの恋)』(ケネス・マクミラン振付、タマラ・ロホ、カルロス・アコスタ、英国ロイヤルバレエ) [舞台(バレエ)]

 英国ロイヤルバレエ来日公演、タマラ・ロホ(Tamara Rojo)とカルロス・アコスタ(Carlos Acosta)が踊る『マイヤリング(うたかたの恋)』を観るために、夫婦で東京文化会館へ行ってきました。

 もう、とにかく圧巻の舞台でした。先日、予習のために同作品の舞台映像を見たばかりなんですが、映像と実際に舞台を観るのでは大違い。今そこで、アコスタが、ロホが、まさにすぐそこで同じ空気の中で踊っている、という体験は、筆舌に尽くしがたいものがあります。

 舞台から、緊迫感や、刺々しい雰囲気や、寒々とした情感や、血を流すような寂寥感や、苦悶や絶望といった感情が生々しく伝わってきます。タマラ・ロホも印象的でしたが、何といってもカルロス・アコスタが凄い。マクミランの難しい振付をその驚異的なテクニックで軽々と踊りこなして、今にも叫び声が聞こえてきそうな、鬼気せまる心理表現をやってのけます。身震いが出ます。

 場面転換の巧みさ、豪華な衣装など、実際に観るとやはり感動的です。マクミランの演出は凄みを感じさせるほどの高密度で、一瞬たりとも緊張感が途切れません。見終わったときはぐったり疲れていました。

[キャスト]

ルドルフ皇太子:カルロス・アコスタ
マリー・ヴェッツェラ:タマラ・ロホ
ステファニー王女:イオーナ・ルーツ
ミッツィ・カスパー:ラウラ・モレーラ


『白鳥の湖 Swan Lake』(英国ロイヤルバレエ、マリアネラ・ヌニェス、ティアゴ・ソアレス) [舞台(バレエ)]

 2009年3月に収録された英国ロイヤルバレエ最新の『白鳥の湖』がDVD化されていたので観てみました。主演はマリアネラ・ヌニェス (Marianela Nunez)とティアゴ・ソアレス(Thiago Soares)の二人です。

 特に奇をてらったところはなく、伝統的な手堅い『白鳥の湖』です。主演はもとより群舞のレベルまで文句なし、しっかりした舞台。安心して観られる映像なので、どなたにもお勧めできます。

 舞台の感じがKバレエの熊川版に似ているなあ、と感じたのですが、調べてみるとどちらの舞台美術もヨランダ・ソナベンド(Yolanda Sonnabend)が担当しているのですね。どうりで似ているわけだ。ただし本作の方が舞台の印象は暗めで、王子をはじめとして男性がみんな軍服着用だったりして、どうも第一次世界大戦前夜の小国という設定のように思えます。特にストーリー上の影響はありません。

 舞台美術だけでなく演出(例えばスペイン舞踏団が魔王ロッドバルトの一味であるとか)もほぼ同一なので、Kバレエの舞台が気に入った方なら、こちらも好きになると思います。

 さて。観る前に個人的に期待していたのは、小林ひかるさんが出演していること。ところが残念なことに、彼女の役柄は第三幕における王子の花嫁候補のうちの一人。ほとんど踊らないまま、あっさり退場してしまいました。がっかり。

 ところが、第一幕で王子の友人たちによるパ・ド・トロワで踊った女性ダンサーが素晴らしく、思わず映像を止めて何度も繰り返し再生してしまいました。精確できっちりしたステップ、品のある優雅な動き、美しいポーズ。彼女がソロで踊っているのを観ているだけで幸せになります。

 調べてみると、何と彼女こそ崔由姫/チェ・ユヒ(Yuhui Choe)さん。ファンが多いとは聞いてはいたのですが、まさかここまで素敵なダンサーだとは。吉田都さんの再来などと騒がれているのも納得です。彼女が踊っている映像は要チェック。

 というわけで、ユヒちゃんのダンスを観るためだけにでも購入する価値があったと、個人的にはそう思える舞台映像でした。あ、主演の二人も素晴らしかったです。


『ロミオとジュリエット』(Kバレエカンパニー、中村祥子) [舞台(バレエ)]

 Kバレエカンパニーのゲストプリンシパル“SHOKO”こと中村祥子さんがジュリエットを踊る『ロミオとジュリエット』を観るために、夫婦で東京文化会館まで行ってきました。

 芸術監督である熊川哲也さんが振付・演出を担当した「熊川版」です。マクミラン版をベースに、話の展開を分かりやすくした上で、ドラマシーンを短縮して代わりに群舞シーンを増やした、という印象です。

 登場人物の掘り下げは不足しているし、話はむやみにてきぱきと進行し、何だか粗筋を大急ぎで説明されたような感じが残るので、演劇面に期待した観客はちょっと肩すかし気味かも知れません。あくまで踊りを見せることに徹した版だと割り切って観るとよいかと思います。

 一連の公演シリーズのうち熊川哲也さんがロミオを踊る回はチケット代がお高いので避けましたが、とにかく中村祥子さんのジュリエットが観られるのだから問題ありません。

 今回ロミオを踊った遅沢佑介さんも頑張っていましたが、何といっても中村祥子さんの存在感が素晴らしい。ちょっと手足を動かすだけで、舞台はもう彼女のもの。

 恵まれたスタイルを存分に活かした、伸びやかなポーズの美しさ。それをぴたりと静止させ保持するテクニックの凄さ。圧倒的です。まるで昔のTVアニメのスポーツもので、必殺技や魔球を繰り出す直前の「止め絵」のよう。

 あまりの爽快さ、カッコよさにシビれますが、ジュリエットとしてはやや説得力に欠けるというか、この迫力なら、婚約者と父親を殴り倒して強引にロミオと駆け落ちした方が自然な展開ではないか、などと感じてしまいます。まあ中村祥子さんが踊れば、どうでもよくなってしまうのですが。

 ちなみに背の高く見るからに筋肉質の彼女を何度もリフトしてぶん回さなければならない遅沢佑介さんがちょっと気の毒。リフトのたびに決死の覚悟で踏ん張っている気配が伝わってきて、愛の重さに耐えるロミオというか、足腰を痛めないようお祈りいたします。

 Kバレエの群舞は華やかで、観ているだけで楽しい気分になってきます。舞台美術のセンスも良く、さほど広いとは言えない舞台をうまく使いこなしていたと思います。

 というわけで、熊川哲也さんが踊る回だとまた違う印象なのかも知れませんが、とにかく中村祥子さんの雄姿が記憶に残る舞台でした。終演後のカーテンコールでも、観客の半数くらいがスタンディングオベーションで拍手を送っていました。


2009年11月7日 東京文化会館大ホール
Kバレエカンパニー公演『ロミオとジュリエット』

 振付・演出:熊川哲也
 ロミオ:遅沢佑介
 ジュリエット:SHOKO(中村祥子)
 マキューシオ:西野隼人
 ティボルト:清水健太
 パリス:ニコライ・ヴィユウジャーニン
 キャピュレット卿:スチュアート・キャシディ
 キャピュレット夫人:ニコラ・ターナ
 乳母:樋口ゆり


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