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『子ら子ら』(康本雅子、小倉笑) [ダンス]

 2018年2月11日は、夫婦でYCCヨコハマ創造都市センターに行って康本雅子さんの新作公演を鑑賞しました。


[キャスト他]

振付・演出: 康本雅子
出演: 小倉笑、康本雅子


 シアタートラムで観た『絶交わる子、ポンッ』から5年。ついに康本雅子さんのダンスを再び観ることが出来ました。小倉笑さんと二人で、母と子のあれこれを演じます。突然のぐずりに絶叫、キレる母、暴れる母、意味不明な激突、唐突な仲直り、差し込む暴力、発作的愛情表現、何だかもうよく分からないやりとり、吹っ飛び散り散り母子の会話。

 もう焼けたかな(子どもひっくり返し)、まだかな(子どもひっくり戻し)、もう焼けたかな(子どもひっくり返し)、まだかな(子どもひっくり返し)。

 康本雅子さんも今や二児の母とのことで、おそらくご自身の体験が存分に活かされているであろう爆裂子育て発狂育児リアリティ吹き荒れる80分。あまりの不穏さに観客席の子どもが泣き出してしまうという。

 康本雅子さんがソロで踊るシーンには思わず見入ってしまいます。特に奇矯な動きはしてないのに、意表をつかれまくる不思議な踊り。うまく把握できないでいるうちに、どんどん踊っていっちゃう謎のダンス。とても心地よいのに、なぜだか居心地悪さも同居しているような、独特の雰囲気に会場がのまれてゆきます。



タグ:康本雅子
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共通テーマ:演劇

『DOPE』(平山素子:ダンス、加藤訓子:パーカッション) [ダンス]

 2018年2月4日は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って平山素子さんと加藤訓子さんの共演を鑑賞しました。スティーヴ・ライヒの初期代表作『ドラミング』全曲演奏とダンス、公演時間は70分です。

 『ドラミング』を使ったダンス公演というと、個人的にはローザス版とローラン版を観たことがあります。いずれも十名を超える出演者たちによる渾身の舞台でした。


  2015年04月20日の日記
  『ドラミング』(アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル、ローザス)
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-04-20

  2009年10月06日の日記
  『La Vie qui bat (躍動する生命)』(ジネット・ローラン、オー・ベルティゴ)
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2009-10-05


 それが今回のバージョンは、演奏者もダンサーも1名ずつ、2人だけのデュオ公演という最小限構成というので驚きました。加藤訓子さんが『ドラミング』の各パート演奏を多重録音して流し、録音されてないパートを生演奏して共鳴させ、それをバックに平山素子さんが踊る、という舞台です。

 DOPEというのは薬物摂取(ドーピング)の略ですが、日本語にすると「ヤバい」に近い言葉。両名ともヤバさ全開の勢いで観客を引き込んでゆきます。

 平山素子さんのダンスは、ドラミングの強烈なリズムにそのまま乗るのではなく、その酩酊効果を背景にした小さな動きや姿勢変化(音に操られているような印象を受けます)から始まって、痙攣や転倒などの動きが加わり、観客の感情を刺激してゆきます。音とリズムに翻弄されつつも冷徹な視線で観客をまっすぐ見つめてくるので、正直ビビります。

 加藤訓子さんもダンスといってよいほど大きく、激しく動きます。演奏しながら両足でくっきりとしたステップを踏み、ここぞというタイミングでは腕を高く振り上げ劇的に振り下ろす会心の一撃。生演奏も録音も全パートを本人が演奏しているので、全体の統一感は素晴らしく、複数パートの共鳴による「うねり」効果も強烈。目眩が誘発されます。

 最後は加藤訓子さんも太鼓を叩きながら前に出てきて平山素子さんといっしょに踊り、まぶしい照明が観客席に向けられ目がくらむ中、何もかもが天国的というかヤバいもんキメた感が炸裂するなか唐突に舞台が暗転するという、まあ何かの過剰摂取による死を疑似体験してしまいました。



タグ:加藤訓子
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共通テーマ:演劇

『another BATIK 『子どもたちの歌う声がきこえる』 『波と暮らして』』(黒田育世、佐多達枝) [ダンス]

 2018年2月3日は、夫婦で世田谷パブリックシアターに行って黒田育世さん率いるBATIKの公演を鑑賞しました。佐多達枝さん振り付けによる新作『子どもたちの歌う声がきこえる』と、2015年に初演された 『波と暮らして』再演のダブルビルです。上演時間は、『子ども』が50分、『波』が70分、総計2時間(+休憩時間20分)。


『波と暮らして』

 メキシコの詩人オクタビオ・パスの短篇小説『波と暮らして』を原作とするデュエット作品。2015年に初演されたものの再演ですが、初演を見逃していたので個人的には今回が初めての鑑賞です。


[キャスト他]

演出: 黒田育世
振付・出演: 柳本雅寛、黒田育世
美術: 松本じろ


 ショパンの夜想曲(アナログレコードの音に針とび等のノイズを混ぜたノルタルジックな音源)が流れるなか、原作における「僕」を柳本雅寛さんが、「波」を黒田育世さんが、それぞれ踊ります。海辺で「波」になつかれた男が、仕方なく彼女を連れ帰って奇妙な同棲生活を始めるのですが……。

 周囲をブルーシート(海を連想させます)で囲まれた空間。アナログレコードプレーヤーを除けばほとんど何もない寒々しい印象を与える部屋で、子どものように無垢で無邪気に男を翻弄する「波」、男の心が離れてゆくことに気づいて愁嘆場を演じる「波」、男の心を取り戻したと思って喜びはしゃぎ戯れる「波」。黒田育世さんの変幻自在で官能的な動きを、柳本雅寛さんがしっかりサポートします。

 とはいえ、黒田育世さんの苦悩の表現(叫び声、うめき声と共に、激しく同じ動作を繰り返す悲嘆のダンス)があまりにも胸に刺さるために、どのシーンも悲しく、切ない印象で上書きされてしまった感があります。もの悲しい犬の遠吠えが耳から離れません。


『子どもたちの歌う声がきこえる』

 黒田育世さんを含むBATIKのメンバー7名と、客演の男性ダンサー3名、合わせて10名が踊る幻想的な作品です。


[キャスト他]

振付: 佐多達枝
台本: 河内連太
振付助手: 斎藤隆子
出演: 
黒田育世、伊佐千明、大江麻美子、大熊聡美、熊谷理沙、田中すみれ、政岡由衣子(以上BATIK)
小出顕太郎(岩田バレエ団)、中弥智博(東京シティバレエ団)、牧村直紀(谷桃子バレエ団)


 投影された抽象絵画(深い森のようにも、カビのコロニーの拡大イメージにも見えます)を背景に、全員がフード付きの白い衣装を着て踊ります。人間界とは関わりのない、深い森の精たちが踊っているのを、こっそりのぞき見ているような印象です。単純に楽しく踊っているかと思うと、大きなものに怯えたり、割とあっさり死んでしまったり、けっこう感情を揺さぶってきます。

 森の木漏れ日を連想させる美しい絵を背景に、手前に倒れて死んでいるシーンはちょっと忘れがたいものが。

 全員が無個性な白い服で登場するにも関わらず、黒田育世さんが登場すると場の雰囲気が変わります。同じ振りでも、非常に細かく、精微に動いていて、どうにも「怖い」という印象が残りました。



タグ:黒田育世
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『Galaーガラ』(ジェローム・ベル) [ダンス]

 2018年1月21日は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行ってジェローム・ベル演出による『Gala』を鑑賞しました。世界50都市以上で上演され、それぞれの開催都市ごとに20名の出演者を募ったという話題作の“埼玉版”です。上演時間90分。


[キャスト他]

構想・演出: ジェローム・ベル

出演(さいたま芸術劇場版):
相澤陽太、新井悠汰、入手杏奈、梅村千春、Elhadji Ba、大北岬、オクダサトシ、金子紗采、川口隆夫、木下栞、佐々木あゆみ、竹田仁美、BIBIY GERODELLE、百元夏繪、星遙輝、堀口旬一朗、矢崎与志子、吉田駿太朗、吉村計、李昊


 まず、さいたま芸術劇場の写真が投影され、続いて世界各地の劇場の写真が次々と映されてゆきます。大型劇場、小劇場、円形野外劇場、公民館みたいな所、プラスチックの椅子が並べれている商用施設の一画、さらには草原に丸太を置いただけの「劇場」。どうやら「多様性」がテーマらしいと、におわせます。

 続いて、「バレエ」「社交ダンス(ワルツ)」「マイケル・ジャクソン」などのお題が掲示され、20名の出演者が、一人ずつ、舞台を左から右へと横切りながら、お題のダンスを披露してゆきます。

 20名の出演者は、バレエダンサー、コンテンポラリーダンサー、バトントワラー、俳優、高齢者、幼い子供、障がい者、外国人、など様々。個人的には、「コンドルズ」のオクダサトシさんがいたり、つい先日この劇場で『大野一雄について』を踊ったばかりの川口隆夫さんがいたりして、びっくりしました。

 ついつい「身体の多様性(の賛美)」「舞踊の多様性(の賛美)」などと演出の意図を考えてしまいますが、そこは何しろ、ジェローム・ベル。これまで個人的に観たことがある作品は二つだけですが、無人の舞台に音楽だけ流してこれはダンスだと言い張ったり、マーラーの交響曲を演奏しながら演奏者が次々と倒れて死んだり、いずれも批評性の高いというか底意地の悪い演出で、「舞台を鑑賞する、というのはどういう行為なのか」という問いを観客に突きつけて居心地の悪い思いをさせてきた、あの人です。

 今作も「素人や、障がい者や、子供が、プロのダンサーと並んで頑張って踊っている様を受け入れて感動する」「みんな違ってみんないい」といった作品ではないだろう、と半信半疑でいると……。

 それぞれの出演者が「お手本」となって自分の得意なダンスを披露し、他の出演者たちがその真似をして踊る、というのを繰り返してゆくうちに、舞台上では出演者たちがチームとしてまとまってゆき、客席では観客が高揚感と一体感でまとまってゆくのです。客席から出演者に「がんばれ」と声援が送られたり。暖かい雰囲気。

 驚くほど感動的なシーンが繰り返され、最後は出演者たちと観客が一体となって盛り上がる、というたいそう高揚する展開となります。観客を大いに楽しませ、大いに感動させ、劇場という空間でだけ成立する共犯者的熱狂の心地よさを大いに堪能させるという、まんまとジュローム・ベルにしてやられたーという一抹の後ろめたさを残す、印象的な公演でした。



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『ピグマリオン-人形愛』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2017年1月5日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんの新作公演を鑑賞しました。ジャン=フィリップ・ラモーの「ピグマリオン Pygmalion」を元にしたオペラの演出、という仕事を引き受けた勅使川原三郎さんが、そのための原型として作成したという(終演後トークによる伝聞)、60分のダンス公演です。


[キャスト他]

演出・照明: 勅使川原三郎
出演: 勅使川原三郎、佐東利穂子


 ギリシア神話におけるキプロス島のピュグマリオン王の伝説を元にした作品で、タイトル通り人形愛がテーマになっていますが、その構成は複雑かつ多義的です。二人のうちどちらが人形なのか(というか人間でないのか)、そもそも二人なのか、それとも一人の人間の内面なのか、といったレベルで曖昧な感じ。

 最初に登場する勅使川原三郎さんは、人形のようにぎくしゃくとした動きで、人外のものを表現します。獣の唸り声、さざ波のように舞台上をゆるやかに流れる照明の驚くべき効果、そこに立っているのに見えない表情、などが相まって、劇場そのものが異様な空間に変容してゆくように感じられます。

 佐東利穂子さんは、椅子に腰掛けたまま動かない人形(彫像)として登場し、やがて勅使川原三郎さんから魂だか何だかのエキスを繰り返し注がれることで生命を得て、少しずつ動き出します。最初はポーズの断続、やがて次第になめらかになってゆく美しい動き。

 勅使川原三郎さんの演出としては珍しいことに、二人はコンタクトするばかりか、しっかりとハグします。そこから終演までの展開はけっこう衝撃的。静かに椅子に腰掛けてこちらを見る(でも表情は見えないし、そもそも人間にも見えないし、背景音は獣の唸り声)という勅使川原三郎さんの姿には鳥肌が立ちました。ヤバい。

 終演後トークで、今後の予定をいくつか話してくれました。記憶している限りでメモしておきますと、すでに欧州、北欧、アジア、キューバで仕事が入っているとのことで、次のKARAS APPARATUSでの公演は5月。しかしそれでは間が空き過ぎるだろうということで、3月に帰国した際に2日間だけ特別公演を行う、らしいです。いくら何でもハードワーク過ぎるのではないかと心配になります。



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