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『アスモスノクラス』(東京ELECTROCK STAIRS、KENTARO!!、高橋萌登) [ダンス]

 2017年7月17日は夫婦で吉祥寺シアターに行ってKENTARO!!率いる東京ELECTROCK STAIRSの公演を鑑賞しました。KENTARO!!を含む東京ELECTROCK STAIRSのメンバー4名、ゲスト3名、計7名で踊る90分の舞台です。

[キャスト他]

振付・音楽: KENTARO!!
出演: KENTARO!!、横山彰乃、高橋萌登、泊舞々、
山本しんじしんじ、川口真知、吉田特別


 小芝居や発話など織りまぜつつも、全力で踊り続ける90分。メンバー間の精神的連帯感の表現(体育会系だったりヒップホップだったりする)を極力排したクールで乾いた演出のもと、みんなとにかくがんがん踊ります。ひたすらかっこいい。

 各人にそれぞれソロで踊るシーンが用意されています。後半に入ってまず横山彰乃さんのソロがかっちょ良かった。怒濤の安定感というか、ゆるぎない炸裂というか、その肝の据わった強靱な動きからは凄みが感じられて、シビれます。

 続いて高橋萌登さんのソロですが、これがまた感動的で。魂吹き飛ぶような激しいダンスから一所懸命さがひしひしと伝わってきて、高揚感と不思議な切なさに目頭が熱くなります。マジで涙にじんだ。このシーンのために前半は体力を温存してたな、などと思ってしまう振り切れっぷり。

 初めて東京ELECTROCK STAIRSの公演を観た頃には、横山彰乃さんと高橋萌登さんのダンスにあまり明瞭な差を感じとれなかったのですが、今やもうまったく別物にそれぞれ進化しているよう。すげえな。

 そしてKENTARO!!さんの超絶ソロになるわけですが、ここが問題で、あまりの凄さにほとんど何も覚えてないのです。とにかく凄かった。もうヒップホップがどうのとかこうのとか関係なく、いい具合に力の抜けた飄々とした動きで、ひょいと、妖怪、なんですわ。来週のソロ公演が楽しみです。

 個人的にはこの三名に突出したインパクトを感じたのですが、泊舞々さんを始めとする他の出演者もそれぞれに気合が入っていて、圧倒される舞台でした。観客席には子供もたくさんいて、おそらくダンス教室の生徒たちだろうと思うのですが、みんな最後まで舞台に集中していたのが印象的。90分という長丁場、子供も飽きさせない演出と振付はさすがです。


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『うとぅ り』(関かおり、PUNCTUMUN) [ダンス]

 2017年6月30日は夫婦でシアタートラムに行って関かおりさんの新作公演を鑑賞しました。関かおりさんを含む10名が出演する75分の作品です。


[キャスト他]

演出・振付: 関かおり
出演: 北村思綺、後藤ゆう、小山まさし、清水駿、鈴木清貴、髙宮梢、矢吹唯、山田花乃、吉田圭、関かおり


 丸く区切られた舞台。奥手側は半円状の「すだれ」で仕切られています。この丸いエリアに出演者たちが唐突に入ってきて、うねうね~と人外な動きを披露し、またふらふら~と舞台袖やすだれの向こうに消えてゆく。常に何人かは舞台上で蠢いていて、数名ずつの出入りによって舞台上にいるメンバーがゆるやかに交替してゆく。

 丸いエリアを観客席から見下ろす感じが、まるで顕微鏡をのぞいたときの視界のよう。

 その不思議な、人間のものとは思えない、しかし生物として説得力のある動きを見ていると、どうしても「謎の微生物のコロニーを顕微鏡で観察している」という印象を受けます。ときどき背景音(チリンチリンという金属音、羽虫がざわざわ蠢いているような羽音、一度だけ何か重い物体を床に倒す音が響いてびびった)が流れる他は、終始無音、という演出もその印象を強めます。舞台衣装も生物的で素敵。

 とにかく動きが素晴らしく冴えていて、同じ振りが繰り返されるということがほとんどないのです。人間のものではない、が、微生物だと思えば分かる、そんな不思議な動きを、あれだけ沢山つくり出すというのがそもそも凄い。実際に踊ってみせる出演者たちも凄い。骨格で支え筋肉で動かす、というヒトとしての基本をてんでなかったことにするような勢い。

 ほとんどの場面は無秩序というか、微生物なりの理に基づいて、うねうね、くねくね、ゆらゆら、ひょこひょこ、ぴくぴく、している個体の集合なのですが、ときどき創発というか自己組織化というか、秩序や構成のようなものがさり気なく生まれて、やがてまたカオスに戻ってゆく。唐突に個体が別の個体に飛びついて合体する(と思ったらときに床に落とす)とか、数個体が何だか変な具合に連結したまま蠢く(生殖しているのか捕食しているのか群体を構成しているのか、何だかよく分からないけど、きもかっこいい)とか。

 黙ってじっと観察しているうちに、生物として在る、というキホンを思い出してゆくような、不思議な感覚が込み上げてくる舞台です。



タグ:関かおり
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『静か』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2017年06月29日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんによる公演を鑑賞しました。上演時間60分の作品です。

 最初から最後まで音楽なし、無音の舞台です。

 といっても、実際には天井の照明器具がたてる、ぶーん、というかすかなうなり、上の階で机や椅子を動かす音、そしてもちろん観客席からのざわめき、などが、おぼろげな背景音となって舞台を包み込んでゆきます。

 音を立ててはいけないというプレッシャーのためか聴覚が妙に研ぎ澄まされたようになり、背後にいる観客の「咳払いしたい。やばい。焦って手荷物からペットボトルをこっそり取り出す。キャップをそっと外す。音をたてないように慎重に飲む。ちょっと喉につまる。むせてはいかんむせてはいかんここは我慢」といった動作や心の動きが、なぜか臨場感たっぷりに伝わってきたり。観客同士の共感、連帯感のようなものが、手で触れるような密度に感じられます。

 佐東利穂子さんが手で空間を大きくかきまぜるような動きを繰り出すと、無音ということもあって、まるで濃密な液体のなかにいるような印象を受けます。手足が鋭くかつ滑らかに動くたびに、そこから見えない波がゆらゆらと周囲に広がってゆくよう。

 勅使川原三郎さんの動きは、まるで全身で書道をしているような、強靱で精微に調整されたものを感じさせます。動き出す直前に軌道が確定して、そこを正確に身体がなぞってゆくような感じというか。

 位置取りの変化が巧みで、動いた気配もなくいつの間にか立っている場所が舞台の反対側に移動していたり、ときどき二人の背の高さが変化しているように感じられたり、どうにも捉えきれない。

 片方が前に出て踊っている間、他方が背後でクラゲのように漂って、と思っていたら、後半になると二人が同時に、かつ至近距離で、しかも激しく動くようになります。でもぶつからない。それどころか接触すらしない。どうも微妙に位相のずれた別空間にいるのではないか。

 気が付くと終演だったのでびっくり。体感的には30分くらいに感じられましたが、もちろん二人とも1時間ずっと舞台に立って動き続けたわけで、しかも終演後のトークでは息も切らさず平然と話すわけで、その体力には驚かされます。



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『ペトルーシュカ』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2017年05月12日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんによる新作公演を鑑賞しました。上演時間60分の作品です。

 最初から最後までとにかく勅使川原三郎さんの人形振りがすさまじく、表情も含めて鬼気せまるものがありました。びびった。

 薄暗い照明の下、影となってたたずむ人形の姿はホラーというか怪談。糸で釣られて操られている人形のぎこちない動きが始まります。やがて本当に糸で釣られているように手足がふらふらと頼りなく動き、ポーズ固定のまま全身が床をすすーっと滑ってゆく(ようにしか見えない)様子に驚かされます。背筋が凍ります。

 しかし、人形に心が宿ってくるにつれて、動きが次第に自発的なものになってゆくのがありありと。同時に、心があることでとてつもない苦悩が生まれてくる。苦しい、苦しい。その苦悶と絶望の表現が凄絶で、思わず息を飲みます。壁に身体を打ちつけたり、床を踏みならしたりするシーンでは、どんっ、という音と振動に、こちらも心臓ばくばく。

 さらに表情による演技が際立っていて、たくみな照明とあいまって、苦悶、絶望、悲哀、ときに邪悪な表情を見せてくれます。

 そもそも照明はいつも凄いのですが、今作では特に細かく素早く照明が変化し、舞台の印象も刻一刻と変わってゆきます。衣装の色も様々に変化し、ときどき血に染まったように見えて戦慄を覚えたり。

 自らの心を持てあまし、のたうちまわるようなペトルーシュカの葛藤とは対照的に、佐東利穂子さんが踊るバレリーナ人形はクールで冷淡。心がなく、ただ綺麗に踊っているだけ、に見えます。まだ他人に対する同情心が芽生えていない幼い女の子に見える、というのが凄い。

 希望と絶望、苦悩と諦念をいったりきたりしながら苦しみ続けるペトルーシュカの姿に胸がつぶれるような感情に襲われます。これは私の苦しみ、これは私の悲しみ、と誰もが共感するのではないでしょうか。


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『ふしぎの国のアリス』(小野寺修二、カンパニーデラシネラ) [ダンス]

 2017年6月11日は夫婦で新国立劇場に行ってカンパニーデラシネラの新作を鑑賞しました。ルイス・キャロルの原作をもとにした105分(途中休憩20分を含む)の公演です。


[キャスト他]

振付・演出: 小野寺修二
出演: 荒悠平、王下貴司、大庭裕介、斉藤悠、崎山莉奈、仁科幸、藤田桃子、小野寺修二


 「夏のこども劇場セット」の一部ということで子供にも楽しめる作品となっていますが、そこはやはり小野寺修二さんの作品。

 舞台上にニヤニヤ笑う小野寺さんが立っていて、崎山莉奈さんが「バッカみたい」と吐き捨て、藤田桃子さんが「んまー、なんてこと!」とか脈絡なく叫び、大庭裕介さんが大真面目な顔で観客に状況説明するふりをして、その背後でみんなが不思議な踊りを踊っていれば、そのまま『不思議の国のアリス』の世界。なぜ今までやらなかったのかと思うほど、カンパニーデラシネラにぴったりの題材です。

 最初に舞台上に置いてある傾いて歪んだ台形の机から始まって、様々なサイズの椅子、壁になったり部屋になったりと大活躍する複数のドアなど、舞台道具そのものがキュートです。実質的な扉として使われるルービックキューブも印象的。

 それらのギミックを駆使しつつ、全員が完璧な振付でぶつからずに紙を受け渡す同時多発的書類まわし、アリスが歩くスピードに合わせて次に踏むべき椅子をみんなで背後から前に受け渡し続ける無限軌道空中歩行など、人気の演出が出し惜しみなく投入されます。

 穴への落下、大きくなったり、小さくなったり、涙に溺れたり、といったシーンの演出がひとつひとつ工夫されていて飽きません。ようやくドアを開けてワンダーランドに入ったところで前半が終わり、後半はもう赤の女王、という大胆な途中省略もクール。

 大胆といえば、前半のアリス役が、傍観者の立場で事態が混乱してゆくのを眺めているような崎山莉奈さんと、積極的に事態を混乱させてゆく藤田桃子さんのダブルキャスト、というのも見事な演出だと思います。

 あと、崎山莉奈さんのアリスがレザージャケットびしっと決めて啖呵を切るのがカッコよくて、どちらかといえばエミリー・ザ・ストレンジ。そういやエミリーってアリスが下敷きになってますよね。原作のアリスもけっこう相手構わず喧嘩売ってゆくタイプだし。それと崎山莉奈さんが唐突にソロで踊るシーンは素敵でした。

 幕間には、子供たちが飽きないようにと玩具を用いた参加型パフォーマンスで注意を引きつけつつ、そのままホールから座席に誘導してゆくという気配り。親子で楽しめる演目として、小野寺版『ロミオとジュリエット』のように何度も上演されることになるといいなあと思います。



タグ:小野寺修二
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