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『青い記録』(勅使川原三郎) [ダンス]

 2019年5月31日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんの公演を鑑賞しました。無限ループするピアノ曲を背景に踊る上演時間60分のソロ作品です。

 最初は真っ暗闇に浮かぶ青白いほのかな光だけが目に入り、そこにシューベルトのピアノソナタ20番、その第2楽章の一部が流れます。優雅なようでいてどことなく不安で不穏な気配がにじむ曲。終わったと思うとまた始まり、終わったと思うとまた始まり、いつまで続くのかこのループと思っていると、これが延々と終わらない。実に1時間に渡ってずっとずっとループし続けるという猛威。

 やがて暗闇に目が慣れてくると、天井から何本もの糸が吊り下げられていることに気づきます。多くの糸は床までたれていますが、ちょうど勅使川原さんの顔の高さに小さな木片がくくりつけられており、それが空間を格子のように区切っています。透明な牢獄のような印象を受けます。

 この見えない牢獄のなかで勅使川原さんが踊ります。格子に触れないよう、可動域が制限された動き。発散できないまま何かが溜まってゆくような苦しい苦しいダンス。照明効果により闇を背景に勅使川原さんの身体の一部だけが浮き上がって見えたり、延々とループするシューベルトのせいで現実感や遠近感が失われ、勅使川原さんが大きく見えたり小さく見えたりしてきます。



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